@techreport{oai:miyazaki-u.repo.nii.ac.jp:00004025, author = {六車, 三治男}, month = {2020-06-21}, note = {我々は現在まで、生活習慣病に効果のある食品の開発を目指して脱脂粉乳発酵物に関する一連の研究を行ってきた。それらの研究を通じて、脱脂粉乳を味噌の原料として添加し発酵させた新しい味噌(ミルキー味噌)には、1)アンギオテンシン転換酵素の阻害活性を持つペプチドが産生されていること、2)その味噌を高血圧ラット(SHR/izm)に経口投与すると血圧が低下すること、3)健常人によるミルキー味噌摂取実験により、日常使用する程度の味噌摂取量では血圧に影響は与えないが、血中アンギオテンシンII濃度が有意に低下することを明らかにしてきた。 そこで、アンギオテンシンIIの抑制がII型糖尿病の発症を抑制するという知見に注目し、前報告では、II型糖尿病、肥満,高血圧を呈する病態モデルラットを用いて、これらの病態、特に耐糖能の低下に対して脱脂粉乳発辞物摂取が如何なる影響を与えるか検討した。その結果、2系統の病態モデルラット、SHR/NDmc-cpラットおよびZucker/fa-faラットを用いて、脱脂粉乳発酵産物の肥満、II型糖尿病、高血圧に対する影響を約3ケ月に亘って検討した結果、SHR/NDmc-cpラットにおいて脱脂粉乳発酵産物の摂取が、耐糖能の低下を抑制する可能性が強く示唆された。 そこで本研究では、脱脂粉乳を米麹菌で発酵させた脱脂粉乳分解物をつくり、それがもたらす生活習慣病の発症進展予防効果を確認し、昇圧物質であるアンギオテンシンII抑制効果との関連を明らかにするために動物実験を含む研究を実施した。脱脂粉乳と米麹を等量混ぜ合わせ発酵させた脱脂粉乳分解物には生理活性機能として高血圧予防効果が期待できるアンギオテンシンI変換酵素(ACE)阻害活性を測定し、高いACE阻害活性が認められた。自然発症高血圧ラット(SHR/NDmc-cp)および自然発症糖尿病ラット(GK/Slc)を用いた持続投与試験を行った.麹による脱脂粉乳分解物を投与したSHRラットは投与後3週間と6週間に有意に血糖値が低下し、脱脂粉乳の麹菌による分解産物の糖尿病発症予防効果が示唆された。また、麹による脱脂粉乳分解物を投与したSHRラットおよびGKラットにおいて有意に血圧降下を示した。 以上のように、麹による脱脂粉乳分解物はin vitro、in vivoの実験で生活習慣病に対する生理活性機能を有する「新規調味料」となった。今後、さらに麹菌による脱脂粉乳分解産物の生活習慣病病態モデルラットに与える影響を検討することで、肥満や糖尿病の予防効果が認められると、脱脂粉乳分解産物の日常の摂取が、各種病気や生活習慣病の予防に貢献し,ヒトの健康増進や医療費の節減効果が大いに期待できる。}, title = {脱脂粉乳の麹菌による分解産物の糖尿病発症予防効果に関する研究}, year = {}, yomi = {ムグルマ, ミチオ} }