@article{oai:miyazaki-u.repo.nii.ac.jp:00001469, author = {植田, 勇人}, issue = {3}, journal = {自律神経, The Autonomic nervous system}, month = {}, note = {フリーラジカル(以後,ラジカルと略)発生はドパミン代謝における宿命的過程でもあり,パーキンソン病とその治療薬を考える上で重要な分子種である. 過酸化水素と遷移金属との反応で発生するラジカルは,パーキンソン病の成因のみならず治療経過にも多角的に関与していると考えられる. 一方αトコフェロール-アスコルビン酸系,グルタチオンやSODなどの抗酸化系は,生物が進化していく過程で紫外線曝露などの激しい酸化ストレスから防御するために獲得した強固な防御システムであり,ラジカルを巧みな仕組みで効率的に還元し消去している. このようにして健康な生体では酸化・還元バランスである「レドックス」はその均衡を保っているが,様々な原因でこの均衡が崩壊することで疾病病態が形成される. パーキンソン病の成因やその後の病態経過もレドックス均衡から眺めることが出来る. またドパミン補充療法やドパミン受容体アゴニストを投与しても効果不十分なパーキンソン病症例に,ゾニサミド追加投与の有効性が報告されている. ゾニサミドの追加投与が脳内ドパミン量を増加させ,かつドパミン代謝で崩れやすいレドックス是正効果も有していることがその分子背景のようである. 既にin vitro実験においてはゾニサミドそのものがヒドロキシラジカルや水素ラジカルの消去能を持ち,さらにin vivo実験でも急性ゾニサミド投与は脂溶性の抗酸化能の亢進することが知られている. ゾニサミドの薬理効果には様々なものが提唱されているが, ドパミン増加作用とドパミン代謝によるラジカル攻撃の緩和作用がゾニサミドのパーキンソン病治療薬としての特異性であろう. 抗てんかん薬としてのゾニサミドにはてんかん発作の抑制と神経保護作用という"dual action''がみられるように,パーキンソン病のレドックス是正にも作用点を有するゾニサミドの効果を勘案すると,そこにもやはりパーキンソン病治療における"dual action''を見いだすことが出来る.}, pages = {181--185}, title = {パーキンソン病におけるレドックス}, volume = {46}, year = {2009} }