ジグソー学習法で展開したBLS(Basic Life Support;一次救命処置)教育において,A大学3年生61名を対象に,技術得点と学生の自己評価の分析から教育効果を検討した。心肺蘇生手技の技術得点は従来の知識伝達型の教授方法と同様に高く,授業評価の授業満足度は平均95%で学習者から好評価を得ていた。授業終了後の自由記述内容は【学生の受け入れ】,【根拠の理解】,【適切な手技の習得】,【医療者としての自覚】の4 カテゴリーに分けられ,学生が主体的に取り組み,高い技術得点を得た結果が自信につながったことが伺え,学士課程のBLS教育にジグソー法は有効であったことが示唆された。BLS技術は修得後6ヶ月後には有意に低下するという報告があり,更なる教育の質の向上のためには,BLS技術を維持するための技術修得後の定着率の低下を防ぐ取り組みが必要である。
雑誌名
南九州看護研究誌
巻
17
号
1
ページ
1 - 7
発行年
2019-03
出版者
宮崎大学医学部看護学科
School of Nursing, Faculty of Medicine, University of Miyazaki